心機一転して新たなキャリアを構築するために、転職は非常に有用な手段といえる。しかし、時と場合によってはあえて転職しない方が良いというケースもある。
具体的には、転職の理由が単に上司と馬が合わないだけというような場合が典型例である。セクハラやパワハラといったハラスメントがひどくて、このまま仕事を続けていれば心身に影響するというような場合になると話は違ってくるが、そこまでではないような場合にはたとえ上司と合わなくてもあなたのことを評価してくれている人は周りにいるはずだ。
そういった評価をすべて捨てて、一からキャリアを築きなおすような行動に出るのは非常にもったいないケースも少なくない。
そのため、もし上司が原因で転職を考えるのであれば、会社を辞める前に、まずは周囲の人間や人事部などに事情を説明して状況を改善できないか相談してみるのがおすすめだ。

また、「今の仕事が面白くない」「仕事にやりがいを感じられない」といったネガティブな理由だけで転職するというのも避けた方がいいかもしれない。
一度現状に不満を抱えて転職してしまうと、転職先で何かしら不満が生じた場合に、また転職するという悪循環に陥る可能性があるためだ。そういった転職を繰り返していると、キャリアアップにつながらないだけでなく、気が付けば何のスキルも身に着けられないままいたずらに年齢を重ねることにもなりかねない。
しっかりとしたキャリアを築いていくためには、少々の不満を理由に転職するのはやめた方が賢明といえる。